インプラント治療

合併症は細菌感染によって起こりますが、手術は滅菌した状態で行うので、細菌に感染することはありません。手術後も、処方された抗生物質を指示どおりに飲み、口の中を清潔に保てば、細菌に感染することはほとんどないでしょう。

治療の失敗やインプラント材がダメになったら、天然の歯のように抜くことができます。治療時に失敗した場合は、できるだけ早めに抜き、骨にあいた穴をきちんと養生しておけば、2~3か月で骨は元の高さまで再生します。ということは、同じところに何回でもインプラント体を埋入することは可能ともいえるのです。しかし、歯周病などで骨自体が痩せて、インプラント体がグラグラになっているにもかかわらず、我慢して何年も使っているケースもあります。こうなると、はずしてもう一度同じようなインプラント体を入れることは難しくなります。

アバットメントや上部構造を交換するのは、もちろん可能です。インプラント体
も交換はできますが大変な作業になります。骨は再生するので、骨があるかぎりインプラント体は何度でも入れ替えることができますが、トラブルが重なれば再生能力が落ちたり骨量が少なくなるなど、条件は悪くなります。

インプラント体が「折れる」「骨との結合がはずれる」という問題が生じる可能性はあります。インプラント体の素材である純チタンは、性質からいえば折れることはほとんどありません。しかし、咬み合わせが合っていない場合や、インプラント体の角度が咬む面に対して斜めに入っている場合などには、インプラント体に余計な力がかかって折れる可能性があります。次に、「骨との結合がはずれる」原因は、インプラント周囲炎とインプラント体への負担が加わることです。このような問題を回避するためには、定期検査に通い、咬み合わせのチェック、歯垢のチェック(歯をきちんとみがけているか)などを受けることが大切です。
インプラントといっても歯の部分の素材は、従来の人工歯と同じセラミックやプラスチックです。患者さんの歯に色や大きさなどをそろえてつくるので、見たの違いはほとんどありません。
味覚は舌で感じ取るので、インプラントを入れたからといって味が変わるということはありません。しかし、インプラント体には歯根膜がないので、食べ物が歯に触れる感触が変わったように感じることがあるかもしれません。これも慣れるまでの間だと思って我慢してください。
入れ歯の咬む力は、天然歯の咬む力に比べ10分の1~5分の1程度に下がってし
まいますが、インプラントなら天然歯とほぽ同じです。ですから、従来の入れ歯
に比べれば固いものを咬むのに適しています。しかし、インプラントはあくまでも人工
物。とくに上部構造は、咬み合わせや歯ぎしりなどでもろに力がかかる部分なので、割
れたり欠けたりする可能性があります。極端に固いものを咬むことは避けたほうがよい
でしょう。
日常生活においては、ほとんど違和感はありません。ただし厳密にいうと、オブ
ラートなどの非常に薄いものは咬んでも感じないことがあるようです。天然歯に
は横の周りに歯根膜という、歯を支える強固な線維の束があります。咬んだときの微妙
な感覚は歯横腹に圧力が伝わることで得られるのですが、インプラント体にはこれがあ
りません。ですから、ごく微細な咬み心地が得られないのです。
できます。ただし、歯周病などによって歯を支える顎の骨が痩せている場合には、
インプラントを入れる前に骨を再生しなくてはなりません。
それをあなたが承諾するならば、どの部位でも治療できます。担当医に治療の条件をよ
く聞いて、納得することが大切です。
鎮静法や局所麻酔を用いて手術をするので、痛くありません。
手術後、麻酔が覚めれば多少痛みがあるかもしれませんが、鎮痛剤が処方されるので心配ありません。