インプラント体を入れるために必要な量を満たしていれば可能です。場合によっlては、歯肉の移植や再生の処置ができます(79)。また、歯肉が痩せているということは、その下にある顎の骨も痩せています。骨が不足していたり、もっと状況をよくしたい場合は、骨の移植や再生を行います(77~78)。
腫れぽったい感じだと思います。出血に関しては傷口を縫って止血するので、いつまでも続くことはないでしょう。もし出血が止まらないときは、担当医に必ず連絡してください。とくに心筋梗塞、脳梗塞、高血圧症、肝臓病などで、血液が固まるのを防ぐ薬を飲んでいる人は、出血が続くことがあるので、事前に歯科の担当医に相談しておきましょう。

手術後の腫れや痛みはどのくらい続きますか?

一度に埋入したインプラント体の本数や、感じ方には個人差があるので、痛みの度合いは千差万別ですが、痛くて眠れないようなことはないでしょう。しかし、だいたい4~7日は、腫れや、腫れに伴う違和感、鈍痛、軽い痛みなどを感じる場合もあります。もちろん鎮痛剤や抗生物質が処方されますし、手術中に点滴で鎮痛剤や抗生物質を入れる方法もあります。
ンタクトレンズに使用される素材は有機材料(プラスチック)なので、アレルギーが出る可能性があります。一方、金属も汗や体液に接することでアレルギー反応を起こすことがあります。しかし、純チタンでアレルギーが出たという報告はありません。

高血圧症でもインプラント治療を受けられますか?

高血圧症をはじめ循環器系疾患を持っていても、内科で治療を受けて、症状がきちんとコントロールされている人ならばインプラント治療を受けられます。内科の医師と連携し、状況に応じて相談をしながら進めていきます。高血圧症を持った人の治療でとくに気をつけなければならないのは手術時です。緊張で血圧が上昇するケースがありますから、高血圧症であることがあらかじめわかっていれば、静脈鎮静法などを行います。高血圧症にかぎらず持病がある場合は、「これはインプラント治療には関係ないだろう」と勝手に判断せず、必ず担当医に相談しましょう。

年齢制限はありますか?

男女の差もありますが、骨の成長がほぱ終了する18歳前後から、身体的な条件が満たされていれば年齢の上限はありません。

高額治療には、リボ払いやローンも

インプラント治療への関心が高まるにつれ、インプラント先進国である欧米諸国のように、歯列矯正や将来に備えた予防的治療として検討する若い人も増えてきました、そうした多様な需要を受けて、日本でもある程度高額になる治療には、カード会社などがリボ払いやローンなどの特別ブログラムの提供も行うようになりました。
 また、治療のトラブルで回収が滞る危険性を避けるため、カード会社自体が、リスクの少ない歯科医や病院の情報を求める取り組みも行っています。具体的には、CT撮影可能な提携病院などがあるか、機材、滅菌、手術室は完備しているか、矯正など関連したほかの専門医と協力体制がとれるかなどのガイドラインを持ち、その条件をみたしているかを目安に、リボ払いやローンの受け入れを決定するということになります、これは患者さんにとっても安心材料になるのではないでしょうか。
歯周病を単純に歯肉の病気だととらえている人が多いようですが、正しくは骨
の病気です。歯肉が腫れたり出血するだけならブラッシングなどで治りますが、
歯周病というのは歯を支える骨が溶けてしまう病気ですから、そうした場所にそ
のままインプラントを埋め込むことは不可能というしかありません。失われた骨
は戻りませんが、歯周病を治療してからなら骨の移植(77ページ参照)をするこ
とは可能です。骨の移植によって新たな骨ができてくれば、そのあとにインプラ
ント治療も可能になります。
 反対に、インプラント体を埋め込んだあと、骨の病気によってインプラントが
失敗するということもあります。インプラントの失敗原因は大きく分けて、①細
函感染、②睨み合わせの力の不調和、もしくはその両方によって引き起こされます。インプラントは金属製なので虫歯にはなりませんが、インプラントを支えている骨は、歯周病とほぼ同じようなメカニズムで崩壊していきます。この状態を「インプラント周囲炎」と呼び、歯周病と区別しています。
 研究の結果、歯周病菌や食べ物のみがき残しなどに対する抵抗性(ハリヤー機構)
は天然歯よりインプラントのほうがやや弱いということもわかりました。ということは、油断をするとインプラント周囲炎にかかりやすい状態となり、いったん病状が発生するとその進行や破壊状況は著しいことを意味しているのです。
 骨粗しょう症は程度にもよりますが、インプラント治療を行うことで咬む機能が回復し、骨に力が加わるようになると、逆に骨の密度が増してくることもあります。しかし、統計学的なことなので、経過観察をきちんと行いながら、何かトラブルがありそうなら早め早めに対処していくことが大切です。
インプラント治療が始まってまもないころは難しいといわれるケースもありましたが、現在では糖尿病などの全身疾患でも、内科医によるコントロールができていて、ふつうの生活をしていれば、基本的には可能といえます。しかし、インプラント治療によるストレスが影響を及ぼすような全身疾患や、骨粗しょう症、
リウマチなど、骨に関係する疾患は慎重な判断が必要でしょう。
 例えば骨祖しょう症にしても、直接的な相関性があるというわけではないのですが、実際にインプラント治療を行う場合は、骨粗しょう症のほうの主治医と相談したり、必要なデータをもらったり、血液検査を行って判断することもあります。あえてつけ加えるならば、がんなどで放射線治療を行っている場合は、イン
プラント治療は不可能です。

インプラントの補助的な使い方


インプラント治療は、失われた天然歯1本に対してインプラントの歯1本が理想的です。同じ場所に同じように歯をつくり、できるかぎりもとの状態を甦らせるにこしたことはありません。しかし、1本、2本ならともかく、本数が多かったり、総入れ歯の人の歯をすべてインプラントの歯に置き換えるとなると、支払いもかさみ、大変な手術になります。そのような場合は、左右のバランスや歯にかかる力を詳しく調べたうえで、インプラント体の本数を減らすことも可能です。
 患者さんによっては、「入れ歯に抵抗感はないし気に入ってもいるが、もう少し安定させられないだろうか」という人もいます。入れ歯を安定させるツールとして、インプラントを1本か2本入れるという補助的な使い方ですが、これで入れ歯の安定がよくなって患者さんが喜ぶなら、それもベストな治療といえるわけです。
 また、そこに自分の歯をつくるという目的ではなく、カタカタする入れ歯を安定させる目的でインプラント治療をするケースでは、磁石やアタッチメントなどを使うことがあります。磁石を使った場合は、緊急にMRIなどを受けるときに、磁場が変わってしまうのではないかという懸念も指摘されているので、そうした理解や管理についても医師とよく相談をしておく必要があります。しかし、こうしたインプラントの補助的な使い方もこれからは普及していくでしょう。

2010年9月

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